常設展示・作家

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ウォールスルー

鏡を見ながら歩くと、自分の前に黒い壁があるように見え、自分が黒い壁をすり抜けているのが見えます。また外から中の、自分が通ってきた道を見て、他の人が壁をすり抜けているのが見えます。

葉山香織

Wall Through
(かべをすり抜ける)

1979 東京都出身
2001 武蔵工業大学建築科卒業(手塚貴晴研究所)
2004 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了(建築専攻/片山研究所)
「流動的領域」BankART 1929Yokohamaにて(2004年8月28日~9月2日)

初めこれは、ただ鏡のあるトンネルで、自分を見ながら瞑想ゾーンへと誘うものです。しかし鏡をよく見ると、自分の前に黒い壁があるように見えます。
鏡の自分を見ると、自分が黒い壁をすり抜けているのが見えます。見ることについて考えてみましょう。
・・・今、一体何を見ているのだろうか ・・・
外から中の、自分が通ってきた道を見て、他の人が壁をすり抜けているのが見えます。そして鏡に映った人は、見えたり消えたりします。今通っている人と自分とを重ね合わせ、見ます。時間差で見るという事。他と重ねてみるという事。そして見られているという事。自分は作品とともに見られ、作品に参加しながら見ていく。
この美術館では自分の感覚との対話をします。瞑想空間に行く前に、今一度自分を、また他のものを、よく見てみましょう。